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山を走る楽しさを伝えるトレランYouTuber すべての始まりは「ピアノの先生」とコロナ禍だった 長江 柚衣

山を走る楽しさを、
もっと多くの人に伝えたい

― 現在は「トレランYouTuber」として、どのような活動をされているのですか?

「山を愛するトレイルランナーYuzu」として、YouTubeやInstagramでランニングとトレランの楽しさを発信しています。トレランでは、長い距離を走るのが得意で、2024年には160kmの100マイルレースも完走しました。過去には、自分で山のルートをつないで長距離を走るセルフチャレンジもしています。大会に出ることももちろん好きですが、それだけではなく、「山を走ることの楽しさ」を、もっと多くの人に知ってもらいたいと思っています。

― YouTubeだけでなく、トレランイベントにも力を入れているそうですね。

「Team Yuzu」というランニング&トレイルのコミュニティで、東海エリアを中心にイベントを開催しています。ランニングの基礎を学べる「YUZU RUNNING」、初心者のサポートに特化した「トレラン入門」、観光やグルメとランを組み合わせた「Yuzu旅ラン」など、女性目線ならではのイベントを企画し、おかげさまで毎月100名以上の方にご参加いただいています。「全国のランナーを笑顔に!」をコンセプトに、初心者の方でも気軽に参加できる雰囲気を大切にしながら、「走った先の楽しさ」も含めて提案しています。

すべての始まりは、
コロナ禍のピアノ教室

― 実は本業は「ピアノの先生」だそうですね。

そうなんです。今も平日の夕方から夜に、子どもたちにピアノを教えています。ピアノは小さい頃から続けていて、音楽科のある大学に進みました。卒業後は学校の先生になる道や就職も考えましたが、大学在学中から自宅でピアノ教室を始めていたので、このまま続けてみようと、就職せずにピアノの先生になることを選びました。最初から生徒さんがたくさんいたわけではないので、最初の1〜2年は本当に大変でしたね。自分で広告を出したり、無料体験レッスンをしたりしながら少しずつ生徒さんが増えていって、やがてピアノ教室だけで生活できるようになりました。

― ピアノの先生がYouTubeを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

きっかけはコロナ禍でした。緊急事態宣言でレッスンができなくなり、1〜2か月間、子どもたちとも会えなくなってしまったんです。このままだと音楽へのモチベーションも下がってしまう。「先生として何かできることはないか」と考えた結果、自分のピアノ演奏を毎日YouTubeに投稿することに決めました。「先生も頑張っているんだよ」という姿を見せたかったんです。撮影も編集もすべて自分で行い、右も左も分からないゼロからのスタートでした。「1日かけて1本の動画をつくってアップする」と自分に課し、毎日投稿を続けていましたね。当時は子どもたちに見てもらえれば十分だと思っていたので、チャンネル登録者数は十数人ほど。もちろん収益化が目的ではなかったので、再生数もまったく気にしていませんでした。その後、緊急事態宣言が明けて普段のレッスンに戻ると、毎日投稿する必要もなくなってしばらくYouTubeはお休みしていたんです。そんなとき、夫から「趣味でやっているランニングやトレランの動画を上げてみたら?」と言われて。その一言をきっかけに、今のスタイルのYouTubeへとつながっていきました。

「楽しそう!」から始まった、走る人生

― そもそも、走り始めたきっかけを教えてください。

今から17年前、名古屋ウィメンズマラソンの第1回大会が開催されるというニュースを母と一緒に見ていたんです。「第1回大会だって。楽しそう!出てみない?」と、ノリで申し込んだのが始まりですね。それまでランナーだったわけではなく、運動不足にならないように、母とウォーキングをしたり、少し走ったりしていた程度でした。それなのに勢いでフルマラソンにエントリーしてしまって。でも、申し込んだからにはちゃんと走ってみようと思ったんです。初めて挑戦したフルマラソンのタイムは約6時間。後半はほとんど歩いて、泣きながらゴールしましたね(笑)。一緒に走った母も無事に完走し、その後はすっかりランニングにハマり、今ではトレランやウルトラマラソンにも挑戦しています。Team Yuzuのイベントスタッフとしても手伝ってくれているんですよ。私自身も、気づけば17年間、毎年名古屋ウィメンズマラソンに出続けています。今では大会側から「Yuzuさんと完走プラン」という初心者向けのサポート企画をつくっていただき、初めてフルマラソンに挑戦する方などをサポートしています。自分が最初に6時間かけて完走した大会で、今度は誰かの完走を支える側になっている。あの頃には想像もしなかった未来が待っていましたね。

― そこからトレイルランニングとは、どのように出会ったのでしょうか?

もともと、夏に年1回くらい家族で登山に行く習慣があったんです。小学生の頃から登っていたので山自体には慣れていました。コロナ禍になり、街中が走りづらい雰囲気だった時期に「山ならいいかな」と地元の里山へ一人で行くようになって。ちょうどその頃トレイルランニングというものを知り、「こんな楽しみ方があるんだ!」と感動しましたね。そこで、それまで別々だった「走ること」と「山」がひとつにつながったんです。実際に山を走ってみるとどんどん楽しくなり、すっかりトレランにのめり込んでいきました。私はもともと運動が得意なタイプではないので、正直こんなに長く続くとは思っていませんでしたね。そんな私が走り続けられたのは、両親と一緒に大会に出て、そのまま旅行へと広がっていったことも大きかったと思います。「大会に出れば、その土地へ旅に行ける」という感覚で、色々な場所を訪れるのがとにかく楽しかったんです。だから今でも、タイムを縮めたいという気持ちはあまりありません。楽しく完走できればそれでいいし、その土地の魅力を味わうことも大切。そんな「楽しい」という純粋な気持ちがあったからこそ、ここまで続けてこられたのだと思います。

「一緒に走りませんか?」
5人から始まった新しい挑戦

― トレランイベントを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

最初は、「誰か一緒に走れる人がいたらいいな」という個人的な思いからでした。当時、周りでトレランをしているのは男性ばかり。大会に行っても男性の中に混ざっていることが多くて、「同世代の女性で一緒に走れる人がいたらいいな」とずっと思っていました。そこでInstagramで「猿投山を走ろうと思うんだけど、一緒に走る人いませんか?」と募集してみたんです。5人限定で募集したところ、なんと5人全員集まってくれて、しかもほぼ知らない人ばかり。今考えると、ずいぶん思い切ったことをしたなと思います(笑)。集まらなくてもそれはそれで仕方がないと思っていましたが、蓋を開けてみると「一緒に走りたい」と思ってくれる人がいると分かり、本当にびっくりしましたね。その後、何度か開催するうちに、「これはきちんとイベントとしてやってみよう」と考えるようになりました。料金や保険などの仕組みを整えて、スタッフにも協力してもらうようになって、今のTeam Yuzuにつながっていったんです。最初の5人のうち4人がその後スタッフとして関わってくれて、今でも3人が一緒に活動してくれています。最初に集まった5人が、今のTeam Yuzuの土台になっているんです。

― なぜ今、女性や初心者にトレランの魅力を伝えたいと思うようになったのですか?

最初は「自分と同じくらいのレベルで走れる仲間ができたらいいな」という気持ちでした。でも、イベントを続けていると参加者は男性が多く、女性がなかなか来ない。それが悲しくて、「どうにかしたい」と思うようになったんです。トレランの世界はまだまだ女性が少ないのが現状です。だからこそ、女性である私が「楽しく走る」姿を発信し、実際のイベントでもその魅力を伝えていきたいと考えるようになりました。そして、初心者の方がトレランを始めやすい環境を自分の手でつくっていこうと思ったんです。
実はイベントを始めた当初、「初心者OK」と謳いつつも、内容は初心者にとってかなりハードなものでした。そのことに気づいてからは少しずつハードルを下げ、もっと裾野を広げようと意識を変えました。「トレランって難しそう」と感じている人に、まずは一歩踏み込んでもらう。そのための場所をつくることが、今の私の大きな役割だと思っています。今では企画するトレランイベントの半数ほどを女性が占めるようになり、女性限定の入門イベントも開催できるようになりました。初心者の方は「自分のレベルでついていけるかな」「男性ばかりだったら不安だな」という気持ちもあると思うので、女性が多いという雰囲気そのものが安心材料になれば嬉しいですね。

決めたらやる。
これからも自分らしい道を

― ピアノの先生としての経験は、現在の活動にも生きていますか?

すごく生きていると感じます。子どもに教えるときって、難しく長々と説明するよりも、短い言葉でシンプルに伝えたり、全体の雰囲気を大事にしたり、身振り手振りを大きく表現したりすることが多いんです。そうした工夫を、そのまま大人向けのイベントでも実践しています。できるだけ分かりやすく伝え、楽しんでもらえる空気感を整える。イベント内にスタンプラリーのような遊び要素を取り入れることもあるのですが、大人の方もとても楽しんでくださるんです。「教える」という仕事に携わってきたからこそ、参加する方の目線に立ち、どう感じるかを想像しながら場をつくれるようになったのかなと思いますね。

― これから、どんな活動を続けていきたいですか?

私は最初から今の道を思い描いていたわけではありません。大学時代に立ち上げたピアノ教室も、コロナ禍でのYouTube開設も、今のトレランイベントも、すべてはまず「やってみよう」と思い立って動いたところから始まりました。あまり先のことを細かく決めず、その時々の状況に合わせて進む方向を選んでいくのが私らしさだと思っています。私は、一度「やる」と決めたことをやり通せないのが一番嫌です。だから、決めたらやる。その姿勢はこれからも変わりません。今のイベント活動にはすごくやり甲斐を感じているので、まずはこれを大切に継続していきたいですね。その時々で形を変えながらも、「ランニングを楽しく、長く続けてくれる人を増やしたい」という軸はブレずに持ち続けたいと思っています。
今後、私自身のライフスタイルが変わることもあるかもしれません。そうなったときにはその変化も含めて、一人のランナーとしての生き方を発信していけたらと思います。周りの人に背中を押してもらったり、人とのつながりに助けてもらったりしながら、これからも自分らしく、走ることの楽しさを伝えていきたいですね。

【商品Pick up】UTA SUPLI を飲みはじめて―

私は特に週末がイベントなどで忙しいので、そうした日の夜には必ず飲むようにしています。特に実感が大きかったのは、ロングレースの後ですね。これまではレースの2〜3日後にどっと疲れが出て、起き上がれず寝込んでしまうこともあったのですが、UTA SUPLIを飲んだときはそれがありませんでした。レース後にありがちな食欲不振からのリカバリーも早かったように感じます。大会後のコンディションの戻りが全然違うと感じて以来、すっかり手放せなくなりましたね。また、お酒を飲むときにも欠かさず摂るようにしています。翌日すっきり過ごせるので、今ではUTA SUPLIなしでお酒を飲むのが不安になるくらいです(笑)。

長江 柚衣

私のタイムスケジュール

平日スケジュール
休日スケジュール

私の記録

2026年奥信濃100 女子28位
2025年信越五岳トレイルランニングレース110㎞ 女子19位
富士登山競走5合目コース 女子23位
志賀高原エクストリームトレイル 女子6位
2024年UTMF100mile 完走
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