佐藤優

「ハワイに行きたい!」
その気持ちだけでレースに出場!

― 学生時代は別のスポーツをやっていたと伺いましたが、トライアスロンを始めたきっかけを教えてください

高校は野球、大学からはアメリカンフットボールをやっていました。大学から始めたアメリカンフットボールではU19日本代表として世界選手権にも出場し、大学卒業後はXリーグ * のオンワードスカイラークス * に所属し、そのチームで全日本選手権優勝も経験しました。
野球もアメリカンフットボールも瞬発系のスポーツです。正直、瞬発系のスポーツには自信がありましたが、逆に持久系のスポーツには昔から苦手意識があり、トライアスロンなんて一生やることはないだろうなと思っていましたね。
そんな私がトライアスロンを始めることになったきっかけは、『来月、ホノルルでトライアスロン大会 * に出るんだけど一緒に出ない??』という知人からの誘いでした。しかもそのレースは、初心者向けの比較的ハードルが低いレースだというので、ハワイ好きの私は『ハワイに行きたいから、とりあえずエントリーします!』と、軽いノリで答えちゃったんです。当時はアメリカンフットボール選手としてはとっくに現役を引退していて、あまり運動していなかったんですけどね。(笑)
レースは2019年の5月にあり、その1か月前の4月に出場を決め、すぐにエントリーをしました。レースまでに走ったのが2回、プールも2回で、練習はそれだけ。購入したバイクが納車されたのが出発2日前だったので、自転車には一度も乗らず、ビンディングの練習だけして本番を迎えました。
* 社会人アメリカンフットボールリーグ
* X1 SUPER (現ノジマ相模原ライズ)
* ホノルルトライアスロン(例年5月にアラモアナビーチパークで開催)

初レースでは景色を楽しむ余裕もなく大苦戦

― 初レースはどうでしたか?

散々でした。なんとかゴールすることはできましたが、思っていた以上に過酷でした。ゴール直後は正直、トライアスロンはもう二度とやらないと思いましたね。(笑)
というのも、私はトータル51.5kmのトライアスロンを甘く考えていたんです。私の知人、友人にはトライアスロンをやっている方が多いのですが、そのほとんどが“スイム3.8km、バイク180km、ラン42km” のアイアンマンレース経験者。その方々の話を聞いているうちに、ホノルル大会の“スイム1.5km、バイク40km、ラン10km”は“短い”と錯覚していました。
レース直前までは、ハワイの綺麗な海を見ながら緩くレースを楽しもうと考えていたのですが、いざレースが始まると、最初のスイムで200mほど泳いだだけで『やばい。今日は完走できないかも』と本気で思いました。海の中でもがきながら、何度もリタイアを考えましたね。当時私は、アメリカンフットボール選手を引退して7年、スポーツといえばゴルフぐらい。レースに向けてほとんど練習していないうえに、海で泳いだ経験もなければ、そもそも1.5kmを泳いだことさえなかったんですから、今思えば当然ですよね。それでも気合で1.5kmを泳ぎきり、その後は息絶え絶えになりながらもなんとかゴールしました。ハワイの綺麗な海や景色を楽しむ余裕なんてもちろん全く無かったですね。早く終わって欲しい、ただただその一心でした。

仲間と楽しむレースの魅力を知りました

― なぜまたチャレンジしようという気持ちになったのでしょうか?

なぜでしょうね?(笑)ホノルルでゴールした直後は、もう二度とやらないと思ったんですけどね。デビュー戦がホノルルというのが、良かったんだと思いますよ。『なぜまたチャレンジしようと思ったんですか?』という質問に対しての私なりの答えは、“ハワイが好きだから”という単純なことかもしれません。
日本へ帰国してすぐ、ハワイでのレースのことを思い返しながら、リゾートトライアスロンの感覚で一年に一度ハワイのレースに出るようなライフスタイルもありかも?と考える自分がいることに気付きました。ハワイは僕の人生そのもの。あんなに苦しかったのに、また走りたい!そう思えてきたんですよね。そんなとき、ホノルルでご一緒したチームの方から、『次は8月にレースがあるけど一緒にどう??』と、また誘っていただいたんです。しかも、場所はインドネシアのビーチリゾート。もう二度とやらないと思ったホノルルトライアスロンからわずか数日後、気付いたらエントリーしちゃってました。(笑)
トライアスロンレース2戦目は、ホノルルで走った距離の約2倍のハーフアイアンマンレース*。この時はさすがに練習しましたね。このレースがきっかけで、トライアスロンチームの仲間と一緒に練習する楽しみを知り、そしてともに海外へ行きレースも楽しむ。もちろん、レースの前後は観光や遊びも満喫して。気付いたときには、トライアスロンにハマっていましたね。
* アイアンマン70.3 距離Swim1.9km,Bike90km,Run21km

多忙でも練習を組み込んできっちりと管理

― 経営者として忙しく働かれている中で、トレーニングと仕事のバランスはどのようにとっていらっしゃいますか?

トレーニングは曜日と時間を決め、あらかじめスケジュールに組み込むことで、他の予定が入らないようにして時間を確保しています。スケジューリングすれば、仕事とトレーニングのバランスもとりやすいですし、何より事前に時間を確保しているので無理なく続けられています。
スイムは毎週火曜日の朝、そしてバイクとランは毎週土曜日の午前中。これが私の基本ルーティーンです。スイムは、自分ひとりでは質の高いトレーニングができないため、スイムスクールに通っていますが、バイクとランは基本的には一人でやっています。
毎週火曜日のスイムは、6時半から7時半の1時間。毎週土曜日のバイクとランは、暑い時期であれば6時半頃に始めて3~4時間。夜はトライアスロンのトレーニングはせず、週に1~2度パーソナルジムでウエイトトレーニングをしています。
当然ながら、トレーニング予定日に出張などが入る場合もあります。その際はトレーニングをキャンセルするのではなく、別の日にリスケジュールするように決めています。また、レースが近づいてくると平日のトレーニング時間を増やしたり、週末にトライアスロン仲間と合宿へ行ったりもしますが、その場合も極力早い段階でスケジュールを確保することを意識していますね。

夜は早く帰って子どもと過ごす時間を満喫

― トライアスロンをされていることに対して、ご家族の反応は?

子どもは、まだ小さいので何もわかっていないと思いますよ。
妻は昔から、私がやりたいと言い出したことは絶対にやる性格だということをわかっているので、反対はしていないと思います。もしかしたら、諦めている部分はあるかもしれませんが。(笑)ただ、家族との時間は大事にしていますね。
私たちの子どもは双子です。子どもが生まれてからは早めに帰宅し、子どもたちをお風呂に入れたり、寝かしつけをしたりしています。妻ひとりで二人の子どもを同時に面倒みるのは大変だということもありますが、私も子どもたちと接する時間を楽しんでいますし、その時間は妻もお酒を飲むなど、自由な時間を過ごせるようにしています。
また、新型コロナウイルスの影響で週に2~3回あった会食や外出がなくなり、仕事のスタイルも大きく変化しました。最近では、夜はなるべく18~19時に帰宅し、子どもたちをお風呂に入れ寝かしつけた後にまた仕事することで、家族との時間を意識的に増やすようにしています。
ちょっとした余談ですが、トライアスロンを始めてから早起きになりましたね。以前は遅い時間まで寝て、昼ごろから夜中まで仕事をするといった夜型生活でした。今では、早いときは子どもたちと一緒に21時くらいに寝て、朝5~6時に起きてトレーニングまたは勉強など、一番集中できる早朝を自分のための時間にしています。好きなトライアスロンを続けるうえでも、これからも家族との時間は大切にしていきたいですね。

気持ちが乗らない時のメンタル管理

― スケジュール管理により練習時間を確保されていますが、トレーニングをやりたくないと思う日はありますか?

だいたい毎回思ってますよ。『やりたくない』って。元来、私は練習嫌いの性格なんでしょうね。だからこそ、その日のメンタルに左右されないような仕組みを作って、トレーニングをせざるを得ないようにしています。
『練習したくない』『モチベーションが保てない』『眠い』といった言い訳はいくらでもありますが、それを言い出したら何もできません。言い訳ができない状況を自分自身で作るのがポイントだと思っています。例えば、スイムスクールに入会し、休むと会費を損してしまうような状況だったり、トライアスロンチームの仲間との合同練習や合宿を定期的に組んだりと、やるしかない状況を敢えて作ることでメンタル管理につなげています。

ゴールが見えたときの感動を伝えたい

― トライアスロンをして良かったと思う瞬間は?

レースの最後、フィニッシュゲートが見えた瞬間、ランが残り100~200mくらいになって『やっと終わる』という、あの瞬間は最高ですね。
レース中、『何のために走ってるんだろう?』なんて思ってしまうこともありますが、多くの観客から祝福を受けてフィニッシュゲートを越えた瞬間のあの感動は何ものにも代え難いですね。
今年2月にもタイで行われたハーフアイアンマンレース * に参加しましたが、そのレースではボランティアスタッフの方がゴール直前の選手たちに、それぞれの出身国の国旗を渡していました。もちろん、私もゴール直前まさにフィニッシュゲートに向かう花道で日の丸の旗を受け取り、それを持ってゴールしました。その体験はとても感動しましたね。日本人として異国開催の国際レースで日の丸を持ってゴールするという体験もそうなのですが、それと同時に私のような遠い島国から来た参加者のために、国籍を間違えないようゼッケンに小さく記載された文字を注意深く確認し、旗を渡してくれるその姿に胸をうたれました。こうしたボランティアスタッフのホスピタリティに深く感銘を受け、とても印象深く残っています。
また、先にゴールしたトライアスロンチームの仲間がゴール地点で待っていてくれる姿を見た瞬間も本当に嬉しくなります。私が所属しているトライアスロンチームは「Venga Venga」という名前で、スペイン語で「頑張れ、頑張れ」という意味なのですが、それを見た外国人の方から「Venga Venga」と声援を送ってもらえるのも嬉しいですね。
* IRONMAN70.3 Bangsaen

― 佐藤さんにとってトライアスロンとは?

競技としてもそうですが、いろんな国に行って、いろんな人に出会って、いろんな場所でレースに出るという経験は、私自身の世界観をとても豊かにしてくれますね。また、トライアスロンを通して多くの方と出会うことができました。極端かもしれませんが、トライアスロンをやっていなかったら出会うことがなかった方々との出会いが、私自身の人生をより楽しいものにしてくれていると感じています。トライアスロンは単なる“泳いで、漕いで、走る”ものではなく、私の人生を豊かにしてくれるものですね。

【商品Pick up】Neutral Waterを飲みはじめて―

夏の暑い時期、灼熱の中バイク練習をやっていたときに、よく冷えた高濃度シリカ水のNeutral Waterと出会いました。そのとき飲んだのがすごくおいしくて、体にもいいし、今では毎日飲むようになりました。子どもたちも「おいしい」と言って、飲んでいます。

【商品Pick up】UTA SUPLIを飲みはじめて―

疲労回復系のUTA SUPLIを飲みはじめてからは、寝起きが楽になりました。スイムの朝練習でも身体が非常に軽く、以前よりも軽快に泳げるようになったと実感しています。妻もUTA SUPLIを愛用していますが、お酒を飲んだ翌朝に効果を実感しているようです。天然成分100%のサプリメントなので、女性も安心して摂取できるのが嬉しいですね。

佐藤優

私のタイムスケジュール

スケジュール

私の記録

2020年 IRONMAN70.3 Bangsaen 完走
2019年 IRONMAN70.3 Bintang 完走
ホノルルトライアスロン 完走