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今野龍子

近所にあったキックボクシングジムへ

― キックボクシングをはじめたきっかけは?

小学校 3年生でバスケットボールを始めてから、高校 3年生までバスケットボール一筋。そんなに長く続けていたのに、こんなことを言うのも何ですが、実は性格的にチームスポーツが苦手でした。女性ならではの揉め事もホント苦手で、高校 3年生の引退間近のときは、心のなかでは「早く終わって欲しい」とさえ思っていました。
部活を引退した後は、運動不足になって体がむくんだり、太ったりするのが嫌だったので、軽い気持ちで、ずっと気になっていた近所のキックボクシングジムに通うことにしました。いくら近所とはいえ、一人でキックボクシングジムに入会する勇気はなかったので、妹を道連れにしちゃいました(笑)。
入会してから気づいたのですが、そのジムはプロを養成するような本気のジムだったんです。

「私にもできるはず」という気持ちで試合に

― 初めての試合はどうでしたか?

高校を卒業して就職したあとも、相変わらずキックボクシングジムにはフィットネス感覚で通っていました。
そんなとき、たまたま女性選手の試合を見る機会がありました。女性選手の試合は、男性選手の試合以上に気持ちの強さが勝負を左右します。技術というよりも、手数の多さ。それが勝負の決め手ということを知り、それなら「私にもできるのではないか」と思ってしまったんです。その試合観戦がきっかけで、アマチュアの試合に出るようになりました。
アマチュア選手は大きなグローブにヘッドギア、そして脛あてを付けた完全防備で闘うことができます。その当時の女性選手は、今よりももっと少なく、体重もアバウトな感じでした。男性選手と同様に体重別階級制度はありましたが、自分の階級に合う選手がいないことも日常茶飯事。対戦相手の選手同士が痩せたり増やしたりと体重を調整して、何とか試合をやっていました。アマチュアの試合には 5、6戦ほど出場し、それなりにいい戦績でしたよ。

プロに転向後
ますますキックボクシングが好きに

― その後、プロに転向されましたが、アマチュアとは違いましたか?

プロデビュー戦は判定負けでした。ヘッドギア着用のアマチュア戦とは違い、プロの試合はそれがない状態で闘います。この試合で初めて対戦相手から本気で殴られる感覚を味わいました。もちろん自分が本気で対戦相手を殴って蹴るのも初めてです。そしてその試合でダウンも初経験。プロデビュー戦の対戦相手は総合格闘技の試合経験もある選手で、最終ラウンドまで戦い抜き、なんとか判定に持ち込むのが精一杯でした。
キックボクシングは個人戦。リングの上で闘うのは私ひとりなのですが、試合に至るまでの過程ではトレーナーやコーチのサポートがあり、また試合中もセコンドとして近くで見守ってくれます。そういった意味では所属ジムを代表してリング上で闘っているような、ある意味チーム戦に近い感覚ですね。サポートしてくれる方々の期待に応えたい、そして一緒に勝利を分かち合いたい、と日々練習を重ね、そしてみんなで試合に臨む。そういったことを繰り返すうち、どんどんキックボクシングの魅力にハマっていきました。
また、試合に向けて会ったこともない対戦相手を研究することも好きでしたね。トレーナーやコーチと「こういう動きには、こう対処しよう」などと試合中のシミュレーションをしながら対戦相手のことを考え続けます。試合まで四六時中考える日々が続くと不思議な感情が芽生えてくるもので、もちろん試合中は目の前の対戦相手を倒してやるという強い気持ちで必死に闘うのですが、試合後はとても身近な存在に感じ、相手に深く感謝している自分がいます。もちろん負けてしまうとすごく悔しいのですが、勝てたときは「ありがとう!」と同時に、親友以上恋人未満の近しさを感じるほどです。たぶん、アマチュアとは違い、プロのリングで真剣に闘う相手だからこそ、そのような感情になっていたのかもしれませんね。

試合による大怪我で壮絶な大手術を経験

― 引退のきっかけは大怪我だったと伺いました

チャンピオンへの挑戦権をかけたトーナメント戦の試合中に顎を骨折してしまって。対戦相手と不用意にコンタクトしてしまった際、顔面に今まで経験したことのない痛みが走り、レフリーストップ。この痛みは今までのものとは全く違うと直感でわかりましたが、案の定そのままドクターストップ。チャンピオンへの挑戦権はその初戦で諦めざるを得ませんでした。
その後病院へ搬送され、医師から受けた診断は下顎骨折。そして即手術。全身麻酔をかけて顎を切り、プレートを入れるという大手術を経験しました。歯茎にもネジのようなものを打ちこまれ、術後は上顎と下顎を針金で固定するという、第三者が聞いてもとにかく痛々しい経験をしました。
せっかく試合前の辛い減量生活から解放されたと思ったのに何も食べられず、強制的に減量生活が継続されちゃいましたね。

引退後は本当に好きなことを仕事に

― 引退後のキャリアプランは考えていらっしゃったのですか?

そのときの怪我で2週間ほど入院しました。入院中ベッドに横たわりながら、この先のキャリアプランを漠然と考えていました。
当時はプロキックボクサーの活動だけでは当然生活できなかったので、アパレル販売員の仕事もしていました。アパレル業界での仕事も嫌いではなかったのですが、これからは自分が好きなことを仕事にしていきたい。好きなキックボクシングをベースにエクササイズ指導をするインストラクターのような仕事がしたいと、その入院中に自分自身が進むべき方向性が何となく定まりました。
また、お見舞いにきてくれた祖母が私の腫れた顔を見て泣いてしまったというのも大きかったですね。祖母の泣いている姿を見て、プロキックボクサーとしてリングに上がることはもう辞めて引退しよう、選手ではなく別の形で好きなキックボクシングに関わっていこうと決意しました。

人気インストラクターとしてフリーでも活躍

― 引退後はどのような仕事に就かれたのですか?

引退後は、全国でホットヨガスタジオを展開する企業に入社し、スポーツインストラクターのノウハウを学ばせてもらいました。その企業では、ホットヨガ以外にパーソナルトレーニングサービスも展開していて、私はキックボクシングの動きを取り入れたエクササイズトレーナーとして経験を積み、数年後、フリーのインストラクターとして独立しました。
また同時期に、あるご縁からNike公認インストラクターとしてお仕事をさせていただけることとなり、Nikeが主催や協賛をするイベントにインストラクターとして出演するようになりました。また、出演する機会が増えるにつれ、ありがたいことに、ほかの企業からもイベントインストラクターの依頼をいただけるようになりました。

プロ経験者だからこそのレッスンが好評

― インストラクターの仕事について教えてください

キックボクシングの動きを音に合わせて行う、いわゆるキックボクササイズを教えています。
多くのインストラクターは、音楽をしっかり聞いて、そのカウントに動きを合わせていくという、どちらかというとエアロビクスを基本としていますが、私はキックボクサーとして人を倒すための動作を基本にしています。音に動きを合わせることが苦手な人でも楽しんでいただけるように、誰もが合わせやすい音楽で、ひたすら単純な動作を繰り返すというイメージです。これは私のオリジナルのトレーニング方法です。
それ以外にもフィジカルトレーニングやサーキットトレーニングなど、私が現役時代に実際に行っていたトレーニングを応用したオリジナルのトレーニングプログラムを提供しています。

オンラインレッスンの価値を上げる一工夫

― インストラクターの仕事で喜びを感じるときは?

生徒さんから「楽しい!」と言ってもらえることが、何より一番嬉しいですね。直接言ってもらえると、ホント格別ですね。
最近はオンラインレッスンが増えてきているので、オンラインでも対面に近い感覚で楽しんでいただけるよう、日々工夫しています。特にレッスン中のコミュニケーションはとても大事にしています。オンラインレッスン中は、なるべく私からお名前を呼びかけたり、画面を通して積極的に動きのアドバイスをするようにしています。「オンラインでもきちんと見ていますよ」ということを生徒さん一人ひとりに実感してもらい、対面レッスン以上の価値を提供できるよう心がけています。
最近では生徒さんもオンラインレッスンに慣れ、中にはチャット機能を上手に使いこなし、こちらの呼びかけに拍手スタンプなどで反応してくださる方もいます。それでレッスンが盛り上がったりするので、オンラインのレッスンがスタンダードになる可能性もあるかな?と思うこともあります。ただ、今後の状況はわかりませんので、今やっている全てのことが次につながると信じ、今は生徒さん一人ひとりに私が今できる最大の価値を提供し続けたいと考えています。

自分の立場を明確にすることで
指導の質を向上

― インストラクターとして、気を付けていることは何ですか?

生徒さんたちは人生の先輩である場合が多いのですが、レッスンが始まれば自分が指導する立場になります。
レッスンが始まる前はお客様として、レッスンが始まったら生徒さんとして接するために、レッスンの前後で、私自身の立場を明確に切り替えるようにしています。
この立場の切り替えこそが指導の質を左右する重要な要素だと考えています。私はインストラクターとして、生徒さんに楽しんでもらいながらも、レッスン中はより質の高いエクササイズを提供したいと思っています。それは、エクササイズによる運動効果をより実感いただきたいという思いからです。
だからこそ、レッスン前後で立場の切り替えを意識することで、生徒さんに適切な指導ができる雰囲気作りをしているのです。もちろん場合によっては伝えにくいことや注意しなければならないこともありますが、そのときは敢えて全体を通して伝えるようにしています。このような小さな意識の違いや心遣いなどを大切にしていますね。

SUPに出会い、その魅力にハマる

― SUPレーサーの顔も持っていると伺いました

SUP * を知ったのは、新婚旅行でグアムに行ったときに、ビーチで外国人が優雅に漕いでいる姿を見て「あれ、何だろう?」と思ったのがきっかけです。
帰国後すぐにSUPのプロショップを探し通い始め、もちろんすぐにハマってしまいました。あまりの面白さに、SUP初心者にも関わらず、ショップオーナーに「インストラクターを雇っていませんか?」と直談判。始めたばかりで、もちろん人を教えられるレベルではありませんでしたが、「もっと海に行きたい!」という強い思いが私を動かしていましたね。
SUPを始めてから数ヶ月たったある日。技術的にはまだまだでしたが、ある程度漕げていたのと、キックボクササイズインストラクターとして教え方のノウハウもあることから、通っていたプロショップで、実際にSUPインストラクターとしてアルバイト採用となりました。
SUPインストラクターは2~3年続けましたが、天気に左右されるのでメインの仕事にするのは難しいと判断しました。そして何より私自身が選手としてSUPレースに出たいという思いが強くなってしまったんです。そこで、今はインストラクターの仕事はキックボクササイズをメインにし、SUPはレースに出場するなど選手としての活動を続けています。
* SUP=Stand Up Paddleboard(スタンドアップパドルボード)

お互いをリスペクトし合うアスリート夫妻

― ご主人とはキックボクシングがきっかけで出会われたそうですね

夫の所属する団体との交流戦があって、対戦相手のセコンドに私がついたことがきっかけで出会いました。
今でも一緒に走ったり、トレーニングをしたりすることもありますが、彼はSUPをやりませんし、それぞれの時間はそれぞれで過ごしています。お互いを尊重しつつも、私がSUPをやることに対しては、彼が一番応援してくれているのは感じています。
お互いに試合が近くなるとどうしてもピリピリしてしまいがちですが、そういう感覚がわかるのも、お互いに競技者として経験しているからこそだと思います。お互いに想いやれる間柄だと思いますし、彼が練習や試合で頑張っている姿を見るのも、私の刺激になってますね。自分も置いていかれたくないですし、頑張りたいと思います。
お互いにこれからも高め合っていきたいですね。

【商品Pick up】「UTA SUPLI」と「Neutral Water」を飲みはじめて―

一日一日を大切に生きることをモットーにしている私にとって、トレーニング疲れ、仕事疲れ、遊び疲れなど、全ての疲れを吹き飛ばしてくれるUTA SUPLIは必須アイテムですね。そして何よりも保存料、合成着色料などの化学添加物が一切入っていないのも嬉しいですね。人生をより豊かなものにしたいと願うアクティブな女性にオススメです。
また、Neutral Waterを飲みはじめてから、肌の調子が確実に良くなりましたね。シリカは美肌効果があると言われていますが、私も身をもって実感しています。Reboot Styleさんの商品は“美と健康”を意識する多くの女性にも活用してもらいたいですね。

今野龍子

私のタイムスケジュール

スケジュール

私の記録

SUP
2020年TRUMP paddle session in Hayama Beach 2020 優勝
2019年第 8回全日本 SUP 選手権 総合 2位
2018年第 7回全日本 SUP 選手権 総合 4位
キックボクシング
19戦 9勝 10敗 1KO