そうなんです。ロードレースやシクロクロスなど自転車競技をやりだしたのは、会社員になってからです。それまでは、地元長崎で小学生の頃にソフトボールを始めてから、ずっと野球一筋でした。中学、高校は“野手”兼“抑えのピッチャー”の二刀流プレイヤーとして活躍してたんですよ。それで高校卒業後は野球の実力を買われて陸上自衛隊に入りました。野球推薦で大学進学も決まっていたのですが、自衛隊の方が直接自宅までスカウトに来られ、説得されちゃいました。理由はお金を払って大学に行くより、仕事をしてお金を稼ぎながら野球ができる社会人野球の環境の方が、自分に合っていると思ったからです。
自衛隊入隊後は、新隊員としての教育訓練を経て、北海道の駐屯地へ配属されました。そこで自衛官としての任務を遂行しながら、北海道社会人リーグのチームでアマチュア野球選手としてプレーしました。ちょうどその頃からプロ野球選手になるという目標を強く抱くようになり、当時、若く自信に満ち溢れていた私は、「2年以内にプロ野球選手になれたら、自衛隊を除隊させて下さい!」と当時の上官や監督に熱く語っていたのを覚えています。そんな中、プロ野球独立リーグ四国・九州アイランドリーグ(現・四国アイランドリーグPlus)“長崎セインツ* “の入団トライアウトを受け、見事合格。自衛隊は2年で辞め、独立リーガーとして地元の長崎に戻りました。
* リーグ加盟2008~2010年。2010年12月にチーム解散
そもそも四国・九州アイランドリーグ(現・四国アイランドリーグPlus)は、将来のNPB選手* を目指している選手中心の、地域に根ざしたプロ野球リーグです。20歳になる前に入団した私も、当然ながらNPB選手を目指していました。独立リーガーになることが目標ではなく、その先を見据えていた私は、オフシーズンに単身渡米し、フロリダ・マーリンズの下部組織チームでウィンターリーグにも参加しました。もちろん英語がしゃべれる訳でもなく、また当時はGoogle翻訳もなかった時代です。ちょっとした単語帳と携帯電話、そしてバットとグローブを携えて勇気を持って飛び込みました。もちろん、渡航費から現地の生活費まで全てが自費。自衛官時代の蓄えで何とかやり繰りしました。今でも、この時の経験は本当に大きかったと思いますね。ウィンターリーグに参加する選手は、現地アメリカ人はもちろん、キューバ人、プエルトリコ人など国籍は多種多様、年齢層もバラバラ、どの選手も生き残るのにとにかく必死でしたね。そのような環境で野球が出来たことで、私自身、人間的にも大きく成長できたと思いますね。
* オフシーズンに行われるプロを目指す選手のためのトライアウトリーグ
* 日本野球機構。プロ野球とはNPBのことを言うのが一般的
独立リーガーとして2年目のシーズンオフに西武ライオンズと楽天イーグルスの入団トライアウトを受けました。1年目と同様に2年目のシーズンオフにも渡米しウィンターリーグに参戦していましたが、ちょうど帰国のタイミングで両球団のトライアウトを受けることができたんです。楽天イーグルスは最終選考まで残りましたが、そこから先には進めませんでした。ちょうどその時期に肩を壊してしまい、怪我と最終選考で味わった挫折感で野球を続けていくことに限界を感じてしまいました。ここが潮時と判断し、そのタイミングでNPB選手になるという夢を諦めました。それが22歳の時ですね。
22歳で野球の道を諦めてからは、野球を含めてスポーツをする機会はめっきり少なくなりました。というのも、野球引退後は、退職自衛官の再就職支援制度を利用してIT通信企業に就職したのですが、その仕事が面白くて、身体を動かす暇がなかったんです。また、お酒も飲めるようになったこともあって、日々脂肪を蓄えていきましたね。そんな生活が5年ぐらい続き、ある意味見事な身体に(笑)。一方、その間に仕事で必要なITスキルを全て習得しました。そしてそのITスキルが高く評価され、27歳の時には海外の大手IT通信企業に転職することが出来ました。
ご存知かも知れませんが、私の地元長崎県は自転車保有率が圧倒的最下位なんです。私も学生時代に自転車に乗った記憶がありません。そんな私が自転車競技を始めることになったのは、転職した会社で「自転車部に入らない?」と誘われたのがきっかけです。その会社はもともと海外にロードレースのプロチームを保有していたこともあり、日本法人においても自転車競技を推奨していました。中途社員として入社した20代若手の私としては断る理由もなく、また、「自転車はダイエットに最適だよ!」と言われ、当時、野球引退後に蓄えた脂肪を何とかしたいという思いもあった私は、自転車を購入し入部しました。改めて考えると、そのような職場環境でなければ、自転車競技は間違いなくやっていなかったでしょうね。
実は、会社の自転車部に入部したものの、最初の3年ぐらいは練習会にたまに参加するぐらいの、いわゆる“ゆるポタ派”でした。なので、体重も一向に減らない、練習会に参加しても非常に遅いという状態でした。そんな中、自転車部メンバーの多くが参戦するツール・ド・おきなわの市民レース100kmにエントリーすることになり、それを機に必死に練習するようになりました。完走率が50%前後の難関レースと聞いていたので、レースまでの1年間はとにかく必死。その1年間だけで15kg以上は痩せました(笑)。おかげで、初チャレンジは90km地点にある最終関門を制限時間まで残り40秒でギリギリ通過し、なんとか完走することができました。この成功体験が私には大きかったですね。このツール・ド・おきなわを完走したことが本格的に自転車競技と向き合うきっかけになりました。
野球をやっていた時もそうなのですが、私、行動力は凄いんですよ(笑)。恐らくとことん突き詰めるタイプなんだと思います。ツール・ド・おきなわを完走した翌年、自転車の実業団チーム“イナーメ信濃山形”に友人経由で自分を売り込みにいったんです。そこで出された入団条件が「翌年のツール・ド・おきなわの市民レース140kmでトップ50でゴールすること」でした。結果的にはその条件はクリアできなかったんですが、諦めきれない私は改めて交渉して再度入団条件を提示してもらい、その条件を沖縄でのレース後2ヶ月で達成し、その実績を持って監督に直談判し、晴れて入団することになりました。入団した2018年からJエリートツアー* に参戦し、E3からE2へ昇格した2年目には群馬CSC交流戦で3位表彰台に上がるなど、イナーメ信濃山形の実業団選手として活動しています。
* 日本の自転車ロードレースによる年間シリーズツアー。個人の獲得ポイントで昇降格し、E1、E2、E3の3つのカテゴリーがある。
そうなんです。当初、シクロクロスはトレーニング仲間から誘われて始めたんですが、機材を借りて走ったバイクロアというレースで2位に入ったことで、本格的にシクロクロスレースに参戦するようになりました。今思えば、始めた当初からシクロクロスとのフィーリングは良かったですね。2019年にはトップカテゴリーであるC1昇格を果たし、またChampion System Japan Test Teamにシクロクロスレーサーとして加入することもできました。ここ数年は、ロードレースよりもシクロクロスやグラベルレース等のオフロード系レースで勝つことを強く意識しています。また、昨年ぐらいから、秋から冬にシーズンを迎えるシクロクロスを極めるために春夏はロードレースで力をつける、というようにシフトしました。最近は自分の肩書を“シクロクロッサー”と言っています。当面の目標は、シクロクロス全日本選手権出場とSDA王滝グラベルクラス* で優勝することです。
* 長野県王滝村を舞台に開催される国内最高峰のオフロード耐久レース。2019年からグラベルクラスが新設
ブログ* を開設したきっかけは、純粋に自分の経験を多くの方にシェアしたかったからです。実業団選手になるまでの過程や日々のトレーニング方法を公開することで、誰かの役に立ちたいという思いで始めました。ブログはほぼ毎日更新しています。今では月間100,000 PV前後と多くの方に読んでいただけるまでになりましたが、開設してから半年程度は月間150PVぐらいでした(笑)。半年、1年と続けていくにつれ、ありがたいことに徐々に読者が増え、現在に至るといった感じですね。
* 筋肉ブロガーのロードバイク&シクロクロス奮闘記
https://not-mechanic-yu.hatenablog.com/
私は“読者に対して正直である”という信念を持ってブログを書いています。ブログでは実際に私が使用している機材などのアイテムについての情報も発信しています。つい先日も1年以上使い続け、その良さを実感したチェーンオイルの記事をアップしました。ただ単純にそのアイテムを紹介するのではなく、オススメする理由も必ず明確にして発信するようにしています。だから、私のインプレッション記事には企業案件はありません。全て本音で書いています。今年からfizi:k* のアンバサダーにも就任* しましたが、その姿勢は変わりません。読者に有意義で正直な情報を発信するという姿勢は今後も続けていきますし、それが筋肉ブロガーとしてのプライドです。
* サドルからシューズ、アパレルまで展開するイタリアのサイクルブランド
* fizi:kアンバサダー就任報告
https://not-mechanic-yu.hatenablog.com/entry/fi%27zi%3Ak_Ambassador
UTA SUPLIを飲みだしてから約半年になりますが、トレーニングの質は確実に向上しましたね。コンディションを維持しながら高強度のトレーニングを続けられています。実際にトレーニングデータを分析すると疲労の蓄積が緩和されていることもわかりました。そのおかげもあり、この半年でFTPを30w近く上昇させることができました。また、お酒を飲んだ翌日でも高いパフォーマンスができますね。アルコール分解力が高いと評判なのも納得です。UTA SUPLIは今後も長く摂取していきたいサプリメントですね。
2021年 | 富士チャレンジ200 チーム 3位 |
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2020年 | ツールド・かつらお クラス2 2位 |
2019年 | シクロクロス千葉 C4 2位 |
富士川シクロクロス C3 2位 | |
JBCF 群馬CSC 交流戦 6月大会 Day-2 3位 | |
茨城シクロクロス 涸沼ステージ C2 1位 | |
2018年 | GSR CUP 6時間エンデューロ 2位 |
ツール・ド・エコパチーム 1位 | |
犬吠埼エンデューロ 3時間チーム1位 | |
JCRC下総クリテリウム 1位 | |
JCRC下総 3時間エンデューロチーム 1位 | |
フクダ電子アリーナ クリテリウム スポーツクラス 3位 | |
2017年 | BOSO Grandprix エキスパート クリテリウム 2位 |
袖ヶ浦ウィンターサイクルマラソン 3位 |