鈴木隆之

自転車競技からトライアスロンへ

― お仕事の内容とトライアスロンを始めたきっかけについて教えてください

大手信託銀行で30年間働き、現在はビル管理会社で内部監査業務に従事しています。
スポーツに関しては、もともとロードバイク競技の出身です。社会人3年目のときに、会社の後輩に国内トライアスロンのエイジ優勝者がいて、その後輩に誘われるがままスプリントの大会に参加しロードバイクの魅力に触れたのがきっかけです。それ以来30年以上続けています。自転車は趣味でやっていた時期もあれば、実業団登録選手として走っていた時期もあります。
自転車競技は高校生以上のあらゆる年齢の選手が一斉スタートで順位を競うため、年齢が上がると上位選手にからむことはなかなか難しくなります。また、ロードレースは集団走行となるため集団落車でのケガのリスクもあり、実業団登録の活動は3年で辞めました。
そのタイミングで、同じ自転車チームで佐渡国際トライアスロン大会の年代別入賞経験もある先輩から誘われ、以前からトライしたかったトライアスロンを始めました。ちょうど今から3年前ですね。

練習時間は早起きで確保

― 銀行員といえば朝が早く夜も遅い忙しいイメージですが、練習はどのようにされていましたか?

確かに当時の銀行は朝早く、夜も遅いという時代でしたね。また、夜は会食など付き合いで突発的に予定が入ることも多く、ウィークデーの夜に練習することは難しかったです。でも、早朝に突発的なスケジュールが入ることはそうそう無いので、信託銀行マンの時代の後半は出社前の早朝をトレーニング時間として活用していました。
早朝の時間は、早起きが大変ですが、それをクリアすれば自分でタイムコントロールができるので、毎日のトレーニングスケジュールを調整し出社前の早朝に練習する習慣をつけるようにしてきました。
今では仕事柄、比較的自由な時間が増えたこともあり、夜にトレーニングすることもありますが、やはり練習は基本的に朝と週末が中心ですね。それをローディーの時から続けているので、現在は習慣になってしまいましたね。

家族の理解があるからこそ

― 30年以上チャレンジを続けられていますが、ご家族の反応は?

ロードレースに出ていたときは、旅行感覚で家族も連れて行き、自分がレースを走っている間は現地の温泉などを楽しんでもらうようにしていました。トライアスロンも自転車競技の延長と捉えてくれているので、違和感はないようです。
今は、子供も独り立ちをしているので、ある程度勝手に動いていても何も言われませんが、子供が小さい頃は、休日は朝に練習をして、午後は家族の時間というようにしていました。自分としても、趣味を許してもらっているという気持ちがあったので、子育てや家事など家族から求められたものに関しては積極的にやってきたつもりです。
でも、仕事も家庭も趣味も上手くやってこられたのは家族の理解があったことが一番です。

練習の習慣化=時間の創出

― 「今日は練習したくない」と思う日はありませんか?

それは、ほとんど無いですね。
続けるコツは練習を習慣化させることだと思っています。実際、今は毎日練習をやらなければ気持ち悪いと感じるほど習慣化させています。例えば、毎日歯磨きをしなければ気持ち悪いですよね。練習も毎日の歯磨きと同じように捉えています。できるだけ練習をしない日がないようにスケジュールを組みますが、突発的な仕事で夜の練習をキャンセルしなければならない場合もあります。また、前日に追い込みすぎてあまり身体が動かないような日もあります。そういうときでも短時間であったり、練習強度を抑えたりと、なるべく続けてスケジュールどおりに取り組むようにしています。
習慣化しているので、練習をしたくないという気持ちになることはないですね。沢山の方から休息も練習だと諭されているので、定期的なレストも習慣化しなければいけないかなとも思ってはいますが(笑)

― 習慣化させる工夫はありますか?

私の場合、月単位で大まかなトレーニング総量を決め目安にしています。 月間でスイム20km、バイク1,000km、ラン100~150kmを目標に、週単位の数字に落とし込んでスケジュールを考えています。
コーチからは「総量を決めると、こなすことが目的になるから良くない」と言われるのですが。。。でも、自分は数字を決めないとサボってしまうので、週単位の数字の達成を習慣化させてきました。
また、習慣化のためのやる気作りのひとつに、テレビの視聴ルールがあります。テレビやビデオの視聴は自転車のローラー台トレーニング中に限定しています。朝6時にテレビニュースを観ながらローラー台練習することで、トレーニングと同時に世の中の情報をインプットしています。ソファーに座ってゆっくりとテレビを観ることは、ここ十数年ありません。
細かいことですが、このようなことも時間の使い方の工夫となり、結果的に練習の習慣化に繋がっているのかも知れませんね。

仕事は自分のバックボーン

― トレーニング後の仕事が辛いと思われることは?

仕事は仕事ですし、仕事あっての趣味だと思っているので、トレーニング後に仕事に行きたくないということはあまりありません。仕事は自分のバックボーンにもなっている大事な要素です。信託銀行マン時代は仕事が楽しく、さらに趣味も楽しかったので、一日一日の密度はとても濃かったです。
仕事でステップアップをしたかった時期は、仕事や勉強のほうが楽しく、趣味の優先順位が下がった時期もあり、自転車練習のウェイトが減った時期もありました。

忙しい時期はギブアップが浮かんだことも

― 仕事と趣味の両立が一番大変だった時期はいつですか?

40代に入って自分の知識の整理をしたく、一念発起して夜間ビジネススクールに通いMBAを取得しました。
その時は毎日の勉強が忙しくキツかったですね。仕事でのキャリアアップのために自ら選んだのですが、当時は仕事も忙しく、さらに勉強時間も確保するとなると、自転車に乗る時間はほとんど捻出できませんでした。睡眠時間が3時間ほどという日が続き、さすがに自転車はお休みしようかなとも考えました。しかし、「仕事も趣味も勉強も全て両立させたい」という気持ちが強かったので、「週に一度でも1時間でも必ず乗る」と決めて続けました。
そのわずかな時間が、追い詰められた気持ちをリセットさせるストレス発散の手段にもなり、そうした状況での時間の使い方を学ぶ良い機会だったんだろうなと思います。

― なぜそこまでして?

自転車やトライアスロンをやっていると、自分の弱いところが見えてくるんですよね。
自分の弱いところを弱いまま見て見ぬふりをして通り過ぎるのが嫌だったので。ビジネススクールに通いだしたのも同じ動機ですね。仕事でも趣味でも、自分の弱点は克服したいから色々とチャレンジし続けてきました。
ちょうどビジネススクールに通っていた時期に全国放送のニュース番組特集で密着取材を受け、夜、仕事が終わってから学校へ行き、自分のペースで勉強に取り組んでいる様子を取り上げてもらいました。その時に思いは全国に伝えましたよ(笑)。ただ、残念ながらロードバイクの練習シーンは取り上げてもらえませんでしたが。。。

続けられたのは好きだからこそ

― 30年間もの長い期間、ハードな競技やトレーニングを続けることができるのは、なぜでしょう?

好きだから続けているというのが一番の理由です。
実は、周囲にこの30年間一緒に続けてきた人はひとりもいないんですよ。当初始めた頃に一緒にやっていた人は皆さんやめてしまいました。今のチームメンバーも5~6年ほど前に始めた人が多いです。昔やっていた人の中には、ゴルフなどの別の趣味に鞍替えした人も多いですが、私はトライアスロンや自転車ほど健康的で面白いスポーツはないと思っているので、やめるという選択はなく逆に不思議な気持ちです。
この30年の間には怪我もたくさんありました。鎖骨を折ったり、左膝の裏十字靭帯を切ったりもしましたが、やめようと思ったことは一度もありません。怪我をしても、「いつから走れるますか」とお医者さんに聞くぐらい1日でも早く自転車レースに復帰したい気持ちでした。
やはり自分がずっと続けてきた理由は、好きだという気持ちが強いからだと思います。

代え難い達成感がトライアスロンの魅力

― トライアスロンや自転車競技にチャレンジをして、よかったと思える瞬間を教えてください

達成感ですね。
レースの最中はきついのですが、きつい分、終わった後は達成感があり、自分のことを褒めたくなる瞬間さえあります。年齢を重ねると、達成感を味わうという経験が少なくなりがちだと思うので、本当に大切な時間です。
トライアスロンなどのハードな耐久系スポーツをやっていると、仕事や日常生活でも根気強くなり、やろうと決めたことに対しては是が非でも達成しなければという気持ちを持つようになります。これは仕事面だけでなく、全てに通じることだと感じています。

リスペクトし合える交友関係が広がる

― 鈴木さんにとってトライアスロンとはどんなものですか?

人生の修行であり最大の娯楽です。
また、達成感をともにする仲間やライバルと出会うことで、交友関係が広がり人生を豊かにするものですね。お互いをリスペクトする気持ちが芽生えるような人間関係は、ひとりでは得られませんからね。
自転車競技をやっているときも面白かったのですが、トライアスロンでは、ランやスイムといった自転車以外の自分の弱いところも実感できました。スイムやラン、バイクの中で、仲間同士でそれぞれに持っている強みを武器に競い合う場があり、そこが自己実現の良い機会となっています。あと、なにより同世代と競うエイジグループの枠があることも好きなポイントです。自転車は高校生や大学生などの若者とも競うため年齢を重ねるとなかなか勝てませんが、トライアスロンは同世代で競い合えるので、これからも末永く続けていきたいです。
最近では生きる原動力の一つになってきています。

目標を胸に、できることを地道に

― 次に目標としているレースはありますか?

長期目標としてはITU世界LDトライアスロン選手権 * のエイジグループ日本代表に入ることです。周囲の人が何人も出ているので、それを目標にしています。
バラモンキング * のロングで年代別12位以内に入れば出場資格を獲れるので、そこを目標に手が届くよう努力したいと思っています。
* ITU世界ロングディスタンストライアスロン選手権
* 五島長崎 国際トライアスロン大会

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加齢とともに翌日に疲れが残りやすくなってきましたが、飲み始めてからはハードトレーニングで追い込んだ翌日でも、楽に感じることが多くなりました。
疲労のマネジメントは、トライアスロンを続けるうえで大変重要な要素のひとつです。だからこそ、疲労回復系のサプリメントは効果を実感できるものを継続して使いたいという思いがあり、様々なサプリメントを試してきました。その結果、私が選んだのがUTA SUPLIでした。

鈴木隆之

私のタイムスケジュール

スケジュール

私の記録

2019年 銚子マリーナトライアスロン大会 55-59歳 第4位
九十九里トライアスロン2019 オリンピックディスタンス 男子55-59歳 第8位
佐渡国際トライアスロン大会 Aタイプ 男子55-59歳 第27位
五島長崎国際トライアスロン大会 Aタイプ 男子55-59歳 第27位
全日本トライアスロン宮古島大会 男子55-59歳 第18位
IRONMAN70.3 Bangsaen 男子55-59歳 第10位
2018年 銚子マリーナトライアスロン大会 男子55-59歳 第8位
九十九里トライアスロン2018 ミドルディスタンス 男子55-59歳 第3位
館山わかしおトライアスロン大会(デビュー戦) 男子55-59歳 第15位