佐藤良治

頼まれごとは、試されごと

― 昨年82歳でトライアスロンデビューされたそうですね。

はい。私の地元である琵琶湖を舞台に開催されたLAKE BIWA TRIATHLON IN MORIYAMA* でトライアスロンデビューしました。新型コロナ感染症の影響で開催日程が10月末に変更となったことで、私のトライアスロンデビュー戦はスイム無しのデュアスロン* となりましたが、“笑顔”でゴールすることができました。というのも、ランとバイクは経験があったのですが、スイムは全くの初心者。レースにエントリーしてから孫娘が通っているスイミングスクールに入会し初級コースで練習を重ねていたのですが、コロナの影響でスクールの休校が続き、思うように練習できていませんでした。ですので、デュアスロンに変更になって正直少しホッとしたところはありましたね(笑)。
今年もLAKE BIWA TRIATHLON IN MORIYAMAにエントリーしているので、水泳は目下練習中です。まだまだ孫娘に笑われるレベルですが、7月のレースではスイム含めて笑顔で完走したいですね。
* 2021年10月31日に滋賀県守山市で第1回大会として開催(第2回大会は2022年7月2日開催予定)
* ラン3.6km、バイク64km、ラン18km

― トライアスロンへ挑戦されたきっかけは?

LAKE BIWA TRIATHLON IN MORIYAMAの実行委員長でCEEPO Bike*代表の田中社長に誘われたのがきっかけです。以前、琵琶湖長浜で世界的なトライアスロン大会* が開催されていたので、トライアスロン自体は何となく知っていました。普段からマラソンで走っていた私ですが、まさか82歳でトライアスロンに誘われるとは思っていませんでしたね。
私は昔から『頼まれごとは、試されごと』という言葉を大事にしていて、何かに誘われたり、頼まれたりしたら「はい、喜んで!」と、お誘いに応えるようにしているんです。だって、誘った相手は『あなたは出来る』と見込んで誘ってくれるわけですからね。それを断るのは勿体ないでしょう。昨年初めて走ったトライアスロンは予想以上に大変でしたが、ゴールした時の感動といったらなかったですね。その感動を味わうきっかけをくれた田中社長にも感謝しています。
* 日本発のトライアスロン専用バイクメーカー。田中社長も現役トライアスリート。
* IRONMAN Japan Biwako(1985~1997年にかけて開催)

思い立ったが吉日。73歳でマラソンデビュー

― 73歳から始めたフルマラソン。そのきっかけは?

デビュー戦は2012年に開催された第40回ホノルルマラソンでした。73歳でフルマラソンデビュー以降、ホノルルマラソンは6回連続で完走しています。また、京都マラソンや大阪マラソン、そして東京マラソンと、国内主要レースを含め毎年コンスタントに出場しています。
始めるきっかけになったのは、仕事関係の知人から「来年一緒にホノルルマラソンを走りましょう!」と誘われたからです。60代で家内を亡くし、経営者* としての仕事も一線から身を引いて心に隙間を感じていた当時の私にとって、それはとても嬉しいお誘いでした。それまで身体を動かすことといえば30代から始めたゴルフぐらいで、ランニングなどは一切したことがなかったのですが、もちろん答えは「はい、喜んで!」でしたね。
* 1940年創業の老舗温泉旅館「おごと温泉びわ湖花街道」

― ホノルルデビューに向け、びわこ成蹊スポーツ大学の公開カリキュラムに参加されたそうですね。

そうです。ホノルルマラソンへ誘ってくれた方に教えていただき、当時びわこ成蹊スポーツ大学が開講していた~ホノルルマラソンを目指そう!ランニング教室~という月2回半年間の公開カリキュラムに参加しました。これは、その名の通り、受講生みんなでホノルルマラソンの完走を目指すもので、実際にその中から私を含め13名がホノルルへ行きました。メンバーは20代から70代と世代も幅広く、それぞれの境遇も全く違いましたが、それがとても刺激的で楽しかったですね。当時73歳の私が最高齢でしたが、年齢なんて気にせずコミュニティへ飛び込んだことで、充実した半年間を過ごせました。人は年齢を重ねるにつれて新しいコミュニティへの参加を敬遠する傾向にあるようですが、私の場合はむしろ逆で、この年齢になっても未だに新しい出会いにはワクワクしますね。

フィニッシュテープの先の景色は別世界

― ホノルルでのマラソンデビューはどうでしたか?

もちろん緊張はしましたが、びわ湖成蹊スポーツ大学の仲間やコーチが一緒ということもあり、わりと気楽にスタートできました。ただ、終盤35kmを超えてからは脚が思うように動かなくなりましたね。いま当時のことを改めて振り返ってみても、それまで1kmも走ったことがなかった73歳の全くの初心者がよくも42.195kmを完走できたなと思います。初マラソンの記録は6時間4分44秒。ゴールした時の達成感は私の想像以上でしたね。その年のホノルルマラソンは第40回の記念大会ということもあって会場周辺では盛大な花火があがり、沿道の声援も多く、素晴らしい雰囲気の中ゴールテープをきりました。それまで旅行では何度もホノルルを訪れていましたが、そこには全く別の景色がありましたね。ゴールまでの道中は『もう嫌だ』と何度も思いましたが、不思議なもので、ゴールしたら『次はどこを走ろう』と考える自分がいましたね。

年齢を気にするのは、動物の中で人間だけ

― 記録更新を目指し、日々トレーニングを続けているそうですね。

週2回は10km程度走るようにしています。また、ランニングフォームのチェックなどのコーチングも定期的に受けています。以前は月間100km以上走っていましたが、最近はただ単に走るのではなく、正しいランニングフォームを意識して質の高いトレーニングとなるように心がけています。その甲斐もあって、80歳で迎えた2019年の大阪マラソンでは4時間50分57秒で自己ベストを更新することができました。年齢を気にするのは、動物の中で人間だけ。私は、目標とするレースに向けてしっかりと計画を立てて最善の準備をすれば、自ずと満足する結果が得られると思っています。それに年齢はあまり関係ないというのが、私の持論ですね。

― ホノルルマラソンへの挑戦は佐藤さんの人生を変えましたか?

あの挑戦は私の人生の転換期だったと思います。大袈裟かもしれませんが、もし挑戦していなかったら、今ごろ死んでいたかもしれません。実際、仕事から身を引いてからというもの、家に帰っても誰もいないし、毎日何をしたらいいのだろう?と思う空虚な日々を送っていました。そこで出会ったのがマラソンだったのですが、私にとってはまさに“渡りに船”でしたね。それからは毎日がとても充実しています。昨日より今日、今日より明日と、自分自身が進化していくのが本当に楽しいです。人間を含む全ての生物には必ず“死”が訪れます。それは明日かもしれないし、10年後かもしれない。今この瞬間、このようにお話できているのも、ある意味奇跡だと思っています。そういう事に気付かせてくれたのもマラソンです。私は『マラソンに出会って生まれ変わった』、そんな感じですね。

釜山→ソウル563kmの旅路

― ロードバイクを始めたのも数年前だと伺いました。

2017年に仕事の関係でお会いしたGIANT Bicycles* の前CEOのトニーさんから琵琶湖一周サイクリング(ビワイチ*)へ誘われたのがきっかけです。それまで自転車に乗った経験といえば、幼少期に古い型のママチャリに乗ったことがあるぐらいで、当然ロードバイクなんて持っていませんでした。5月にお誘いを受け、実際にトニーさんやその御一行とともにビワイチへチャレンジしたのがその年の10月。誘われてすぐにロードバイクを購入し、乗り方など一から練習し、なんとか2泊3日の行程を皆さんと一緒に走りきりました。幼少期から慣れ親しんだ琵琶湖ですが、その琵琶湖を自転車で周るという経験は生まれて初めて。慣れないロードバイクで走る200kmは緊張の連続でしたが、素晴らしい経験でしたね。
* 世界的な自転車メーカー(Giant Manufacturing Co. Ltd.)
* 琵琶湖を反時計周りに一周する約200kmのサイクリングコース

― 翌年には釜山からソウルまでの韓国縦走ライドにも挑戦したそうですね。

そうです。ビワイチでご一緒させていただいた方や地元自治体の首長さん方から誘われて、ビワイチ完走の翌年、釜山からソウルまで563kmの韓国縦走ライドにチャレンジしました。走行距離はビワイチの2.5倍。しかも、道中にはアップダウンの激しい山岳コースもあり、かなりタフなチャレンジでした。途中、雨に降られ、山の中で道に迷うなど想定外の事もありましたが、なんとか2泊3日で走破しました。ロードバイクはマラソンとは違った面白さがあり、その面白さに気付かせてくれたトニーさんには今でも感謝しています。

挑戦できることの幸せ

― 日々の体調管理で気をつけていることはありますか?

2012年にホノルルマラソンへ挑戦した時の体重が67kg、体脂肪率17%でしたが、その約10年後である今の体重は56kg、体脂肪率15%と、ランナーとしての体型を維持してきました。そのために、マラソンを始めた2012年から10年間欠かさず体組成計測の記録をとり続けています。また、食事は自炊し、日々の体組成データを参考にしながら、身体に良いものを摂取するように心がけています。最近では雑誌や本などで栄養学についても勉強し、ご飯やパンなどの炭水化物の糖質は控え、赤身肉などのタンパク質を積極的に摂取するようにしていますね。人からは「そんなにストイックにしなくても・・・」と言われますが、私自身は全くそうは感じていません。それが楽しいから続けているだけのことです。そしてそれが日々の元気に繋がっているのですから、私にとってはまさに一石二鳥なんです。

― 次々と新しい挑戦ができるのも健康であるからこそですよね?

それは間違いないですね。健康であるからこそ、『楽しそう!挑戦したい!』という感性が働くんだと思います。マラソンを始めてからロードバイクに挑戦し、昨年からはトライアスロンにも挑戦していますが、全てはお誘いから始まったことです。そのお誘いに「はい、喜んで!」といつでも対応できる身体をキープできていることが何よりも幸せですね。そして、これからも心身ともに健康であり続け、さらに人生を楽しみたいですね。

【商品Pick up】UTA SUPLI を飲みはじめて―

お世辞抜きで非常に良いです。トレーニングをした日の夜は必ず寝る前に飲むようにしています。UTA SUPLIを飲んだ翌朝は本当に目覚めが良く、睡眠時間が短い時でもぐっすり眠れた感覚が得られます。また、起きた時の身体の軽さは飲んだ時と飲まない時では全然違います。恐らく、寝ている時の自己回復力がUTA SUPLIによって促進されているんだと思います。普段から食生活にも気を使い、身体に良いものを摂取するように心がけている私にとって、天然成分100%という点も安心です。私の挑戦のパートナーとしてずっと愛用していきたいアイテムです。

佐藤良治

私のタイムスケジュール

スケジュール

私の記録

2022年 東京マラソン完走
2021年 Lake Biwa Triathlon in Moriyama 完走
2019年 大阪マラソン 自己ベスト更新:4時間50分5秒
2018年 韓国縦走ライド(釜山→ソウル 563km)完走
2016年
~2019年
大阪マラソン4年連続完走
2014年
~2020年
京都マラソン6年連続完走
2013年
~2018年
ホノルルマラソン6年連続完走
2012年 ホノルルマラソン(第40回記念大会)タイム:6時間4分44秒